【パナドールとニューロフェン】オーストラリアの常備薬を知ろう

オーストラリアで痛み止めといえば、パナドールニューロフェン

風邪を引いても、歯医者に行っても、はたまた陣痛の最中にさえパナドールを勧められます。(私も陣痛に勧められましたが、そんなもので軽減するか、と思い飲んでません。。)

みなさんは、このパナドールとニューロフェンの違いってご存知ですか?

なんとなーく、効く方を使っているかも

今回は、ナースをしてきた経験から、

  • 2種類の薬の違いや、
  • 服薬時のアドバイス、
  • 現在問題となっている過剰服用から起きるリスク

などをお伝えしていきます。

目次

パナドールとニューロフェンの違いって?

まず、1番の大きな違いは、その成分にあります。

  • パナドール(主成分/アセトアミノフェン)解熱鎮痛剤
    ➡抗炎症作用なし
  • ニューロフェン(主成分/イブプロフェン)非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)
    ➡抗炎症作用あり

なので、適応としては、

  • パナドール ➡ 風邪症状、頭痛、歯の痛み、生理痛などの痛み、発熱
  • ニューロフェン ➡ 炎症や腫れを伴う痛み、発熱に効果を発揮する

と、説明されることが一般的です。

まず、この成分の違いを覚えておいてくださいね。
それぞれ詳しくみていきましょう。

パナドール

おなじみ常備薬の代名詞、パナドール

一般名アセトアミノフェン(パラセタモール)を主成分とする解熱鎮痛剤です。

みなさんは、どうやって熱が下がるのか、痛みが緩和するのか疑問に思ったことはありませんか?

アセトアミノフェンの働き

▶熱が下がるしくみ

体温中枢に働く➡熱が身体の外へ出るのを促す➡熱が下がる

▶痛みが取れるしくみ

痛みを伝える信号をブロックする➡痛みが取れる

解熱鎮痛剤の中では、効果がマイルドで安全性が高いため、病院でも優先的に用いられる薬です。

日本では、処方薬ではカロナール、アンヒバ、市販薬ではタイレノールという名前で販売されていますよ。

パナドールの適用

頭痛、歯の痛み、風邪症状、偏頭痛、筋肉痛、関節痛、腰痛、生理痛

痛みに対して、オールラウンダーの薬ですね。

アセトアミノフェン含有量について

お馴染みのパッケージ。一番ベーシックなタイプのパナドールですね。

成人用

アセトアミノフェン(パラセタモール)含有量 500mg/個

最大服用量は1日8回(4000mg/日)まで。

日本で同じように市販で買えるアセトアミノフェンには、タイレノールという薬があります。

こちらは、成人用のアセトアミノフェン含有量は300mg/個、1日最大服用量は900mg/日ですので、日本人と欧米人の体格の差はあれど、パナドール1個はタイレノールの約1.7倍

パナドールの薬効の強さは分かってもらえるかと思います。(日本では処方薬の場合のみ、最大服用量4000mg/日が医師から指示されて可能になります)

パナドール内服時の注意点

肝機能障害のリスク

アセトアミノフェンの副作用で重要なものに、肝機能障害があります。

こちらはイギリスのレポートですが、イギリスで肝機能障害の一番の原因は、過剰服用にあるという記事が出ています。

参考資料

>>Acute Liver Failure Caused by Paracetamol Overdose

Nsうりんこ

欧米では、過剰内服による肝機能障害の報告も珍しくないので、用法容量はきちんと守りましょう。

アセトアミノフェンは、安全性の高い薬だからこそ、手に入りやすいように市販されていますが、その一方で乱用されがちな側面も持っているのです。

②意図しない過剰服用

市販の風邪薬の中には、すでにアセトアミノフェンが含まれているものもあります。

たとえば、メジャーな風邪薬のこれ、

By Chemistwarehouse

すでに、パラセタモールが含まれています。

これを飲んでさらにパナドールを飲むと、過剰内服になってしまいますよ。

Nsうりんこ

必ず薬剤師に聞いたり、成分表示を確認しましょうね

子ども用パナドール

わが家でも常備しています。子どもにはストロベリー味の方が人気ですね。

薬を嫌がって飲まなかったり、出してしまう時のために、座薬もあるといいですよ(写真左)。生後6か月から使えます。

ニューロフェン

By NUROFEN official site

イブプロフェンを主成分とする非ステロイド系消炎鎮痛剤(通称NSAIDS)です。

イブプロフェンの働き

炎症・痛み・発熱を引き起こす体内物質をブロック ➡ 症状がおちつく

ニューロフェンの適応

抗炎症効果があるので、炎症や腫れを伴う関節炎、神経炎、捻挫や抜歯後の痛みなどに効果があります。パナドールより持続効果が高いのもポイント。

炎症を抑える効果から、応用されてニキビ治療薬にも使われているんですよ。

Nsうりんこ

ちなみに、生理痛にはニューロフェンの方がよく効く、という声も聞きます

ニューロフェン内服時の注意点

イブプロフェンの副作用に、胃の粘膜を刺激して出血や潰瘍を引き起こす作用があるので、空腹時に内服しないことが基本ですが、ニューロフェンは空腹時に内服できる点が、公式サイトに書かれています。

Nurofen can be taken on an empty stomach with water. Taking Nurofen with food delays its onset of action. Most people won’t get an upset stomach if they take Nurofen as directed on the pack and for not more than 3 days.

NUROFEN AUSTRALIA~The facts on Nurofen and food

空腹時で服用した方が吸収されやすいこと、3日以内の短期内服であれば胃への負担も少ないことが理由としてあげられています。

3日以上症状が改善しない時には、受診をしましょう!

子ども用ニューロフェン

ニューロフェンは、生後3か月から服用可能です(公式サイトより)

カプセルとシロップがあります。

まとめ

パナドールとニューロフェン、それぞれスーパーや薬局で手軽に購入できる安全性が高い薬ですが、一方で手軽さゆえの過剰服用も、大きな問題になっています。

これらの薬は、できるだけ短時間で、一番少ない量を用いるのが基本です。

用法容量を守って、薬と上手に付き合えるといいですね。そして症状が改善しない場合には、GPなどを受診するようにしましょう。

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