【海外生活】専業主婦になった私のアイデンティティロス

海外生活、国際結婚、とても華やかで聞こえがいい言葉ですよね。

そんな華やかな言葉とは裏腹に、自分で選んでこの地に来たはずなのに、

「こんなはずじゃなかった!私はこんなんじゃないのに。」

と毎日自分を責め続ける。考えることは日本での生活ばかりでつらい。

海外に暮らしていると、そんな経験ありませんか?

「自分の価値」「本来の私」が不安定にゆらぎはじめる状態のことをアイデンティティロスと呼びます。

とくに、

  • 海外移住や育児のために、専業主婦業にチェンジした人

に起こりやすいと言われています。

今回は、私も経験したこのアイデンティティロスについて、今悩んでいる人のヒントになればと思い書いてみようと思います。

目次

渡豪する前の私

By Freepik

オーストラリアに来る前の私は、大学病院で看護師をしていました。

8年目で病棟のチームリーダーをし、後輩指導や急変時の対応、難しい疾患へのケアなど一通りこなすことができ、精力的に仕事していました。

渡豪することに決めたのは、人生の経験値を上げたかったから。

現地で看護師になることまでは考えていなかったけれど、

せめて医療福祉現場では働きたかったので、TAFEといわれる職業専門学校で介護士の資格を取って、ナーシングホームで働きました。

ナーシングホームでは、あくまでも介護士ですから、そりゃ日本で仕事していた時みたいに自分主体の処置やケアは出来ません。

いろいろそのジレンマを抱えつつ、それでも海外で仕事してお給料が貰えるという自分の目指すところには到達できていたわけです。

専業主婦のアイデンティティロスって?

アイデンティティロスとは、自分の価値を見いだせなくなることです。

その要因として、

  • 社会生活とのつながりを失う
  • 環境(職場、仕事、キャリア、学校)の変化により、居場所を失う

などがあります。

ナーシングホームで半年ほど経ったころ、妊娠が分かり、産休に入る8か月まで働きました。

産前はメンタルも安定、海外での妊娠出産もまぁ不安がないわけじゃないけれど、自分ならどうにかこなせていけるかなと思えるくらいの心持ちでした。

アイデンティティロスがやってきた

一人目の子どもを妊娠出産したころ、

  • 慣れない地での子育て
  • 社会とつながりが薄れる生活
  • 自分の仕事のキャリアを活かせない生活

に頭が悶々とするようになりました。

産後2~3か月ほど経ち、少しづつ日常のペースがつかめてきた頃。

まだハイハイも出来ない娘をベビーカーに乗せて、毎日公園や散歩に出てたんですが、

うりんこ

私の毎日、まったく生産性がないな…

という思ってしまったんですよね。

朝起きてから寝るまで、家にいるだけ。なんだかいつも同じ格好して、ノーメイクに髪の毛一つくくりだし、育児して家事して終わり(なんなら今も外見は変わらないけど笑!)

ダークうりんこ

私のやってることって?
私の価値って?

もちろん夫には感謝されますが、

  • 社会的に他者から認められているわけではない
  • 何か自分が人に対して起こした行動で、誰かを助けられるわけでも、対価が発生するわけでもない

看護や介護の仕事を通して、目に見える形で自分の技術を使い、誰かを救い、感謝される。

そういう経験をしてきたので、社会貢献も自分の培ってきたものも何も評価されず生かされない日々に、価値を見いだせなくなっていました。

一番つらいのは、いくら夫に「よくやってる」といわれたところで、

私自身が自分を認めてあげられなかったこと。

うりんこ

私はこんなはずじゃない、もっと出来ることも、社会に貢献することだってできるのに!

自分を鼓舞したい、そんなちっぽけなプライドと、

ダークうりんこ

いや、仕事なんてさ、所詮私の変わりはいくらでもいるわけで、私がいなくなったとて病棟も病院も今日もまわってるんだ…

というやさぐれモードの波波波。

これが交互にやってくるんですよね。

そして、そのあとにお決まりの様に頭に浮かぶ「日本だったら」

その中で気づいたことは、

私は常に他者から評価される世界に生きていて、その評価に価値を感じていたこと。

私が私自身を受け止めてあげないと、いつまでたってもこのループから抜け出せないということ。

自分を受け入れていく方法

私の様に、「人からの評価」や「期待に応える自分」で生きてきた人にとって、条件なくしてまるっと自分を受け止めるのって、なかなかうまくできなかったりするんですよね。

ましてや、日本での経歴やらにしがみついている。

そんな中で効果的だったのは、

海外でも自立を感じられる、小さな自信の積み重ねをしていくこと。

1人で出来ることを増やしてみた

辛いときは人に甘えたり、頼ることをよくアドバイスされますよね。

でも、自分の価値を認めてあげられないタイプの人って、仕事でも勉強でも、結果を出すために1人で頑張ってきた経験が多いんじゃないんでしょうか。

そういうタイプって、人に甘えることが苦手なんですよ。私も(笑)!

変なプライドが邪魔をするから。

だったら逆に、新しい環境でも1人で出来る満足感を増やした方が、心の特効薬になります。

1番効果があったのが、車の運転!

自分の足で、新しいところへ出向くことが出来ると達成感や充実感が生まれるんですよね。

海外生活だと、日本と勝手が違ったり土地勘がなかったりで、1人での行動範囲が狭くなったりしませんか。

私は日本でも運転歴が長かったのに、渡豪してからは公共交通機関のアクセスが良かったことと、夫が運転してくれるので2年近く運転していませんでした。

最初は近くのプレイセンターから、次は日本食料品のお店まで、と目的地を少しずつ遠くへ遠くへ伸ばしていきました。

うりんこ

そうそう、この感じ!昔は国内でも海外でも、1人だってフットワーク軽く出かけていたじゃん!

自分の感覚を思い出した瞬間でした。

自分の力で、何かを成し遂げる自信が欲しい人はぜひここから始めてみて下さい。

運転免許証を海外で現地取得だと、土地勘がなく言葉に戸惑います。免許書き換え可能な国行くのであれば、日本にいるうちに取得しちゃいましょう!

興味のある資格や勉強を始めてみた

将来の仕事につながるものでもいいし、趣味を極めるのでもいいです。

スキルの引き出しを増やすことは、自信をつけるとともに、今後のキャリアにもつながります。

私がしたことは、

  • 食育セミナー受講
  • IELTS受験
  • コミュニティセンターのヨガ、ピラティスに参加

IELTSも、スコアを0.5上げるのに3か月必要と一般的に言われるので、

モチベーション的にもちょうど良かったんですよね。

そして、資格や趣味を極めて知識や経験が増えることって、客観的に自分の成長が分かりやすいというメリットも。

オンラインでも、学校でも、今は知識や経験を積む方法はたくさんあります。

せっかくの時間を、未来につながる準備期間にしてみるといいですよ。

期間を定めて逆算して行動した

例えば育児中なら、産休取るのは後1年とかゴールがありますよね。

ゴールが見えていたら、限られた期間をいかに有意義に過ごすのか、考え方をシフトすることが出来ます。

資格取得の勉強だって、受験日という目標設定すれば、日々やらなきゃいけないことが見えてくる。

私のまず挙げたゴールは、次の帰国日を決めたこと(笑)

そして、チケットもさっさと予約しました。(今はコロナですけど)

もうこれだけで、後はカウントダウンです。

うりんこ

多少へこたれても、辛くても、日本へ帰る楽しみのために気分が上がりました

そして、帰国後に参加予定にした「ナース離職者のための研修」手続きや、

子どもの幼稚園入園手続きや準備など、

意外とやらなければならないことで時間が埋まりました。

「仕事に復帰するまで」「日本に帰るまで」「試験日まで」、ゴールが決まったら、そこから逆算することで、日々のタスクが明確になります。

生産性がない、なんて言葉も出てこなくなりますよ。

社会へのつながりを求めて

2018年に、企業家プロデューサーや作家として有名な星渉さんのメルボルン講演会へ、私行ってきたんですよね。

>>星渉さんといえば、神メンタル

その時、参加者にはこれから起業を考える主婦の方も多くて、

新しい地で、何か社会にコミットしていきたい想いはみんな強いんだ、と感じました。

講演会でも著書でも話されていますが、

「今とは違う新しい自分」になりたければ、「選択」と「行動」を変えると新しい結果が得られる。

小さな自信を積み重ね、自分を受け入れていくことも、ここにつながるのではと思っています。

まとめ

社会と接点が少なくなる専業主婦である自分を受け入れていくのは、

キャリアがあればある人ほど、葛藤が大きいと思います。

私も小さな自信の積み重ねや、楽しみを作ることを繰り返し、

時間をかけて自分を認めてあげることにつなげてきました。

今は3人の育児中。

子どもの年齢的にも、仕事と子育てを両立することは私にはキャパオーバーなので、今は主婦業に専念しています。

でもこうやって新たにブログの挑戦も始めたり、常に新しいインプットをすることは心がけています。

主婦業で悩むというのは、それだけ社会への貢献心が高いということ。

その気持ちをうまく未来への準備に当てていくことで、

海外生活での孤独や葛藤も救われると思っています!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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