【オーストラリア】日本人ナースがアシスタントナースとして働くジレンマ

こんにちは、うりんこです。

オーストラリアでアシスタントナースをしてみようと考えてる人の中には、

日本でのナース経験あるし、ナーシングホームはきっと楽勝!

と思ってる人も多いんじゃないでしょうか。

そうはいっても、国が違えば勝手も違うわけで、実際に働いてみるとモヤっとする壁にぶちあたることもしばしば。

では実際にどんなところにギャップを感じるのかを、私の経験からまとめてみました。

目次

アシスタントナースとして働くジレンマとは?

”アシスタントナース”という言葉が一般的に周知されていますが、実際は介護士。

主な業務内容も介護になります。

時間との闘い

前回も書きましたが、わたしはMorning shiftという、朝から昼、もしくは午後までのシフトをメインにやってました。

朝7時からスタートで、だいたい7-10人の入居者さんを受け持ちます。

ここから朝食が来るまでの1時間で、

  • 入居者さんを起こす
  • トイレ介助
  • ベッドメイキング(シーツ交換)
  • シャワー介助(洗髪、髭剃り、髪を乾かしてセット、保湿クリーム塗布)
  • 洗面介助(洗顔、歯磨き、義歯の手入れ)
  • 眼鏡/補聴器のセット
  • 部屋のゴミ捨て
  • 朝食のセッティングと介助

という怒涛のモーニングケアのオンパレード。

自立されている方であれば軽介助で済みますが、高齢者施設ともなれば介護度の高い人ももちろんいます。

移動に介助が必要な場面に登場するのがリフティングマシーン

リフティングマシーンは、安全のため介助者2名で使用するのが原則なので、手すきになるスタッフを待つ必要が出てくるんですよね。

”あー、なかなか来なーい。”

”しかも先にこっちを手伝ってと言われる。”

”あー、どんどん時間が押されていくぅぅ。”

というモヤモヤ葛藤との闘いです。

ナースコールとって?問題

業務が時間に押されても、なりやまないのがナースコール。

え?スタッフいないんですかい?ってくらい、コールが鳴りっぱなしのことが多々あります。

取・れ・や!!!!


悲しいかな、日本で染みついた”ナースコールにはすぐ対応”の精神が、手をこまねいて見ていることなどできず(泣)

結局無視できずに、ナースコールを自分が取りに行ってしまうんですよね。



これ、めっちゃ日本で働いてたナースさんに多いです。

やー、もちろん100歩譲って他のスタッフはコールの緊急度を考えて取らない、としましょう。

とはいえ、ですよ。延々と鳴り続けてるんだから、せめても反応してくれやと思ってしまうのです。

全然無視のスタッフ、結構います。

ケアのスタンダードの低さへのジレンマ

経験や知識の浅いスタッフ

スタッフは、都市部では圧倒的に移民が多いです。

  • 半年ほどで資格が取れる
  • 需要が高く求人が多い

ということが選ばれるポイントでしょう。

なので、経験が浅いスタッフが多い。

日本で大学や専門学校でしっかり看護の基礎教育を受け、臨床に出てきた私たちの根底にある意識とのギャップが大きいです。

人材不足

各勤務帯で最小のスタッフで業務を回していること、毎回のシフトに経験があるリーダー(スーパーバイザー/ナース)やスタッフが不足しているケースによく遭遇します。

こういうことが、ケアのスタンダードの低さにつながっていることが多し。

日本と比較していてもグチが尽きないので、ある程度のことは許容するスタンスではいます。

施設の運営そのものの問題

経費削減のため、人材のみならず物品やサービスを削られるのはちょいちょいあります。

そんな中でも著名に反映されているのが入居者さんたちの食事。

入居者さんの食事が質素になったり、バラエティがなくなってくる職場は、労働環境にもコストカットが影響してくるのでご注意を。

アシスタントナースはナースじゃない

一番葛藤するのはここかもしれません。

日本だったら自信を持って出来る処置やケアも、ここではアシスタントナース。

自分の判断で勝手に実施することはできません。

2年目のRNが前立腺肥大の利用者さんの尿カテ交換する場に、たまたま立ち会ったことがあります。

元ウロナースの私としては、「ああ…その角度だと入らないかも。そんなに押し込んだら出血する…え、まだバルーン膨らませたらいかん!」と心の中でヒヤヒヤしながら、最終的に大出血になりパニくるRNの横で、なんとも言えない気持ちになりました。

相手の気に障らない程度には声をかけてみたんですよ。

でも当時の私の英語力じゃ、私自身を信用してもらえるほどの説得力がないことは自分でも分かっていました。

  • ナースの立場にないこと
  • 英語力

うまく気持ちを切り替えなきゃいけないこともしばしばです。

自分の英会話力のなさに撃沈

もうここに触れたら、元も子もないんですけど、やっぱり働き始めは会話のキャッチボールが難しくて。

まず、オーストラリア独特のアクセントに手こずった上に、何気ない日常会話がうまく弾まないんですよ。

日本でナースしてた頃は、得意だったのになぁって自信喪失したこともしばしば。

他のスタッフの声掛けから学んだり、言葉でのコミュニケーションが下手な分、丁寧なケアを心がけたりしながら経験を積んでいけばいいと思います。

マルチカルチャーのむずかしさ

これはもう、ナーシングホームに限ったことではなく、オーストラリア働く以上どこの職場でもそうですね。

多国籍の社会である以上、避けては通れません。

初期の頃だと、

  • 自分の今までの価値観と違うこと
  • 日本人なら持っている共通認識が通用しない


こういったことで、ストレスを感じやすいと思います。

でも、そんな「自分の当たり前」が通用しない人たちと、それなりに時間を重ねていくと、

  • 彼らの価値観
  • その背景にあるもの
  • お国柄

いろんな面が見えてきて、少しずつ違いを受け入れられるようになってきます。

自分の価値観において、ここは譲れないというポイントは持ちつつ、違いを受け入れることを楽しさにつなげていくと、もっと気楽に仕事出来るようになりますよ。

まとめ

オーストラリアでアシスタントナースとして働いたときの、感じうるギャップについて書いてみました。

同じ医療介護の仕事とはいえ、異国で仕事をするってやっぱり大変です。

特に働き始めだと、壁にぶつかったり、悩むことも多いと思うんです。

そんなときは、「真面目にとらえすぎないで柔軟に」向かい合ってみてくださいね。







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